原発の電気価格、国が保証? 自由化後も優遇策 2014年8月22日
 経済産業省は二十一日、電力の完全自由化後も、原発を持つ電力会社に損失が出ないよう支援する制度を検討していることを明らかにした。電力会社をつぶさないための現在の総括原価方式は自由化で撤廃されるが、新制度案は原発を特別扱いした「第二の総括原価」となりかねない。 (岸本拓也、吉田通夫)
 家庭用の電気料金は現状では、国の認可制度の下、電力会社が原発などの発電費用をすべて回収できるように設定できる総括原価方式で決まっている。だが、二〇一六年四月に始まる電力の完全自由化策の一環として、総括原価方式は一八〜二〇年をめどに廃止され、料金は電力会社が自由に決められるようになり、競争による企業努力で消費者にとっては安くなることが期待されている。
 しかし、経産省がこの日の有識者会議で示した案では、原発で発電した電気の基準価格については、完全自由化後も国と電力会社が決定し、市場価格が基準価格を下回った場合は、差額を電気料金などで穴埋めする。基準価格は総括原価方式と同様に、原発の建設費や使用済み核燃料の処分費用などの投資額を基に決めるため、大手電力は損をしない。
 原発にはこれまでも手厚い優遇策が取られており、会議では九州大の吉岡斉教授が「原発は極端な優遇策を講ずるに値しない」とする意見書を提出。原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「国や電力会社が繰り返してきた『原発は安い電源』との主張に矛盾する」と批判した。






原発の電気、価格保証 自由化にらみ新増設支援 2014/08/22 05:00
 経済産業省は21日、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会を開き、電力の完全自由化後も電力会社が原発の新増設や建て替えをしやすくするためとして、原発で発電した電気に一定の価格を保証する制度の導入や、廃炉による経営への影響を緩和する会計制度の見直しを提案した。

 小委では、専門家による作業部会を設けることを決めたが、提案は脱原発依存の方針や、「原発は安価」としてきた従来の政府の説明と矛盾する可能性がある。価格保証は消費者の新たな負担が必要なほか、新増設を前提にしており、世論の反発も招きそうだ。






原発の電気に価格保証制を提案 自由化にらみ経産省 2014/8/21 20:28
 経済産業省は21日、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会を開き、電力の完全自由化後も電力会社が原発の新増設や建て替えをしやすくするためとして、原発で発電した電気に一定の販売価格を保証する制度の導入や、廃炉による経営への影響を緩和するための会計制度見直しを提案した。

 自由化で電気料金が下がった場合も建設や廃炉の費用を確保できるようになるが、政府の掲げる脱原発依存の方針や、「原発は安価」としてきた従来の政府側の説明と矛盾する可能性がある。価格保証で消費者の新たな負担も必要になり、世論の反発を招きそうだ。

 経産省は原発の維持策として、廃炉や使用済み核燃料の処分に必要な費用を含めた基準価格を設定し、市場価格が下回った場合に差額を電気料金に上乗せして補う仕組みを説明。同様の制度がある英国をモデルにした。

 電力会社は電力小売りの全面自由化や発電と送配電部門の分離が進むと、原発の維持が難しくなると訴えている。これを受け、経産省は「官民の役割分担の見直しや新たな政策措置が必要」として、国の関与を強化する姿勢を強調した。





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