敷地を広げるしかないですよ。
事故を矮小化するために、議論を避けているのは良くない。政府も東電も無責任すぎる。



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福島汚染水:境界線量、基準の8倍 貯蔵タンク付近 2014年01月10日 20時57分(最終更新 01月10日 23時25分)
 東京電力福島第1原発の汚染水問題で、東電は10日、敷地境界の年間被ばく線量が、周辺への影響を抑えるため廃炉計画で定められた基準「年間1ミリシーベルト未満」の8倍に当たる8ミリシーベルトを超えるとの試算を明らかにした。放射性物質を含む汚染水を入れた貯蔵タンクを敷地境界付近に設置したのが原因という。東電は昨年5月に基準を超えたことを把握したが、増え続ける汚染水の貯蔵場所の確保を優先し対策は後手に回った。原子力規制委員会は10日、今月中に東電に対策と基準まで低減できる時期の提示を求めた。

廃炉計画で定められた基準「年間1ミリシーベルト未満」の8倍

 年間被ばく線量が上昇しているのは敷地南側。そばには、汚染水の入った貯蔵タンクがある。昨年4月に地下貯水槽(7基で計5万8000トン分)での汚染水漏れを受け、急場しのぎでこのタンクに移送した。その後も南側は空き地だったため、増え続ける汚染水を収容するため南側の敷地を中心に増設していた。

 この汚染水には、ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が含まれている。ベータ線は、物体を通り抜ける力は弱いが、タンクの鉄に衝突すると透過力の高いエックス線が発生、放射線量が上昇しているという。この影響で、昨年3月末には基準を下回る年間0.94ミリシーベルトと見積もっていた試算は、同5月には年間7.8ミリシーベルト、同12月には年間8.04ミリシーベルトまで上昇した。

昨年3月末には基準を下回る年間0.94ミリシーベルトと見積もっていた
昨年5月には年間7.8ミリシーベルト
昨年12月には年間8.04ミリシーベル

全く違ってるじゃん

 規制委は昨年8月、東電が基準の1ミリシーベルトに戻すことを前提に計画を認可した。規制委の更田豊志(ふけた・とよし)委員は10日の会合で、「1ミリシーベルトに戻ることを前提に計画を認可した。野放図になっていることはよしとしない」と述べた。敷地境界付近の立ち入りは制限されているため、周辺に住民はいないが、有識者からは「将来の住民の帰還に向けて、(線量上昇に)歯止めをかけるべきだ」との意見も出た。一方で、「線量の低減だけにとらわれて、ほかの作業に影響が出ないよう考えるべきだ」などの慎重論も出された。東電の姉川尚史常務は「(原発の建屋から遠い敷地境界近くにタンクを置くことは)原発作業者にとっては、被ばく線量が下がるので有益だが、指示があった敷地境界の線量低減のスケジュールは示したい」と述べた。

どのように対応するか全く考えてないのかな??

 汚染水は、壊れた原子炉建屋に地下水1日400トンが流入し、溶けた核燃料に接触して汚染され増加し、タンクに貯蔵されている総量は昨年末で40万トンを超えた。現在、東電は地下水の流入を防ぐために建屋周辺の地中を凍らせる「凍土遮水壁」の設置を計画しているが、前例がない大規模な工事で効果は不透明だ。汚染水を浄化する切り札と位置づけられている多核種除去装置「ALPS(アルプス)」は今月8日に不具合で停止。10日に運転を再開したものの、トラブルが続き安定した運用ができない。稼働してもトリチウム(三重水素)が残るなど課題は山積している。【鳥井真平】




第一原発敷地境界の線量低減 年度ごと目標設定を 規制委が東電に指示へ 2014/01/11 09:31
 東京電力福島第一原発の汚染水を貯蔵するタンクから出る放射線の影響で、原発の敷地境界の被ばく線量が基準値の約8倍になっている問題で、原子力規制委員会は10日、基準値である年1ミリシーベルト未満に下げる時期を明確にし、年度ごとの低減目標を設定するよう東電に指示することを決めた。同日の特定原子力施設監視・評価検討会で意見をまとめた。

年度ごとの低減目標を設定するよう東電に指示

 規制委は同原発の敷地境界の線量を年1ミリシーベルト未満に定めている。昨年8月に廃炉実施計画を認可した時点でタンク付近は年7・8ミリシーベルトあったが、「早急に1ミリシーベルト未満に復旧させる必要がある」との留意事項を東電に示すだけにとどめていた。
 検討会で東電の姉川尚史原子力・立地副本部長は一連の問題を謝罪するとともに、次回会合で線量を低減するスケジュール案を示すとした。規制委は東電に新たな廃炉の実施計画を提出させ、スケジュールの実現可能性などを審査する方針。また、これまで明確にしていなかった排水路の水を線量制限の対象とすることも決めた。

東電だけではなく規制委員会も先送りしていた事項ですね。

 検討会終了後に会見した規制委事務局の担当者は、1ミリシーベルト未満への復旧を留意事項とだけしていた理由について「多核種除去設備(ALPS)で汚染水の処理が進むことへの期待もあった。だが、その後も数値が改善されず、追加的に対応することにした」と説明した。
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