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東日本大震災:子どもの甲状腺検査 健康不安の解消、遠く /福島 - 毎日jp(毎日新聞)
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東日本大震災:子どもの甲状腺検査 健康不安の解消、遠く /福島

 ◇低い問診票回収率 窓口や機器、不足指摘も
 福島第1原発事故の収束作業が続く県で、18歳以下の子ども約36万人を対象にした甲状腺検査が始まった。生涯にわたり繰り返しチェックする世界的に例のない検査について、県は「県民の不安解消につなげたい」と期待するものの、住民からは検査機会の拡充や交通費補助を求める声が上がる。同検査を含めた県民健康管理調査は全県民約200万人が対象だが、その基本となる問診票の回収率も低迷するなど課題は多い。【安高晋、関雄輔】

 甲状腺検査の所要時間は約5分。のどに超音波機器を当て、しこりがないか調べる。

 計画的避難区域の川俣町山木屋から町内の借り上げ住宅に避難した佐藤裕美さん(45)は開始2日目の10日、高1、小5の娘2人と検査のため福島市の県立医大病院を訪れた。検査は20歳までは2年ごと、その後は5年ごと。娘たちの未来を考え、佐藤さんの心配は尽きない。事故4〜5年後から子どもの甲状腺がんが急増したと伝える旧ソ連・チェルノブイリ原発事故のテレビ番組を見ながら「私もがんになるのかな」と娘が漏らした言葉が胸に刺さった。

 県は当初、医学的見地から検査開始を3年後と想定した。同大の山下俊一副学長は「現時点で異常が見つかる可能性は低いが、不安を和らげたい」という。佐藤さんは「体験したことのない事態。定期健診だって毎年ある。もっと頻繁にやってほしい」と訴える。

 課題も多い。検査は無料だが受けられるのは当面、同病院のみ。県は学校での集団検査も計画しているが、スタッフの確保は容易ではなく、県内各地の病院で検査を受けられるよう医師養成支援も検討している。検査を受けるための交通費は自己負担で、県外避難者には重荷だ。県にとっては転々とする避難先の確認も課題となる。

 9歳の長男、1歳の長女と共に京都市に避難した女性(36)は検査のための帰省をためらっている。「線量が十分に下がったとは思えない。今帰ったら被ばく量が増える」。2年ごとの検査をどこで受ければ良いのか、避難者仲間で相談し合う日々だという。

 また、甲状腺検査を含めた県民健康管理調査の根本台帳となる問診票の回収も進んでいない。問診票は被ばく量推定のため原発事故直後から4カ月間の行動を記してもらうもので、6月に浪江町と飯舘村、川俣町山木屋地区の住民約2万8000人を対象に先行実施。2週間程度での返送を求めたが、回収率は9月末時点で約47%にとどまる。

 回答内容についても3月25日まではどこにいたか分単位での記入を求め、家庭菜園の野菜や井戸水をどれぐらい摂取したかも尋ねたため、「そこまで覚えていない」という訴えが相次いだ。県民全体の基礎データになるとあって、県の担当者は今月中に発送を終えた上で「全戸訪問による聞き取り調査も視野に入れている」と語る。

 「心の健康度調査」「妊産婦調査」なども来月以降開始するが、こちらのスタッフ確保も悩みの種だ。6月に開始した「内部被ばく調査」は機器不足などのため、希望者全員が受けられるめどは立っていないという。

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 ■県民健康管理調査の概要(カッコ内は開始時期)

 ◇基本調査(6月末〜)
 3月11日時点での県内居住者約200万人を対象に、問診票による被ばく量の推計

 ◇内部被ばく調査(6月末〜)
 避難区域や高線量地域の住民を中心にホールボディーカウンターと尿検査で測定

 ◇甲状腺検査(10月9日〜)
 1992年4月2日〜2011年4月1日生まれの約36万人を対象に、甲状腺がんを調べるための継続的な超音波検査

 ◇健康診査(10月後半以降)
 避難区域などの住民約20万人を対象に、通常の健診(血圧、尿検査など)に加え、白血球や血小板の検査

 ◇心の健康度調査(11月以降)
 避難区域などの住民約20万人を対象に、調査票で精神状態、生活習慣、被災状況などを確認

 ◇妊産婦調査(11月以降)
 10年8月1日〜11年7月31日に県内で母子健康手帳を申請した約2万人を対象に、健康状態など確認
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