バベンコ ベルラド放射能安全研究所副所長 2011.10.12

アップロード日: 2011/10/12
ウラジーミル・バベンコ ベルラド放射能安全研究所副所長 
ULADZIMIR BABENKA, Deputy-Director, BELRAD Institute
...
記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2011年11月号に掲載)

日本の食品暫定規制値に疑問呈す

 チェルノブイリ原発事故はウクライナで起きた。しかし、実際は風向きの加減で、国境を越え、北のベラルーシにも被害をもたらした。その放射線汚染と戦っている民間組織が「-ベルラド放射能安全研究所」だ。そして、バベンコ副所長の話から伝わってくるのは、国家への強烈な不信感だった。「我々の最大の敵は保健省だった」と、糾弾して止まない。
 事故当時、ゴルバチョフ・ソ連政権は事実の公表を遅らせ、内容も隠し続けた。それは社会主義国家の威信に関わる問題だった。しかし、バベンコ副所長の説明では、ソ連崩壊後-も国家は適切な対応をしてこなかった。政府は人命よりも社会利害関係を重視し、常に、官僚主義の保身に走った。聞いていると、一体、国家はどこまで人々を守るのかとの根源-的な問いにぶつかる。
 そして、バベンコ副所長は、控え目ながら、福島原発事故後に発表された日本の食品暫定規制値にも疑問を呈した。ベラルーシでは食品ごとに、細かな数値が出されているが、日-本では大雑把に二つの数値しかない。日本は「まだ発展途上にあるのだろう」と、皮肉な感想を述べた。
 では、信頼できない国家に、どう対応するのか。バベンコ副所長の答えは「自分のことは自分で守る」ことだという。推奨するのが、各地の学校に、放射能汚染調査クラブを作る-。子どもたちが課外活動を通じ、自分の地域のどこかが汚染され、どの程度食品が汚染されているのか、きちんと調べる。汚染の概要が分かり、放射能への理解が若い世代に養わ-れていく。
 国家は常に「問題はない」と言い続けるが、我々は「問題はあるが、解決はできる」との態度が重要だ。日常の対策こそがもっとも大切と力説した。そんなに国家不信の感情を抱-いていいのかとの疑問はあった。それでも、現場体験からの言葉には、十分な説得力があった。
 毎日新聞出身 石郷岡 建






20121216_genba
ベラルーシと原発被害の情報共有協定締結 12月15日 14時10分
去年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故と、1986年に起きたチェルノブイリ原発の事故の教訓を共有しようと、日本とベラルーシの両政府は、放射性物質による健康被害などの情報を共有するための協定を締結しました。

協定の締結は、福島県郡山市で開かれている原子力の安全性に関する国際会議の場を利用して行われ、玄葉外務大臣とベラルーシのバシチェンコ非常事態相が、それぞれ署名した協定書を取り交わしました。

続きを読む