汚染水タンク毎月4万トン分増設のニュースだけでを見てると安心したくなるのですが、

フランジ型(ボルト締め型)タンクから溶接型への移し替えは11月以降(または、来春以降)です。
※11月以降(福島民報の記事)、来春以降(東京新聞の記事)

汚染水タンクからの漏洩の危機は当分続きます



タンク毎月4万トン分増設 第一原発汚染水対策 2014/01/21 11:24
 東京電力は20日、福島第一原発の汚染水を保管している地上タンクについて、増設ペースを7月以降、これまでの毎月最大1万5000トン分から約4万トン分に増やすことなどを盛り込んだ新たな工程表を発表した。昨年8月以降、部材をボルトで締めただけの「フランジ型」タンクで汚染水漏えいが相次いだため、新たに設置するタンクは全て溶接型の予定。タンク1基の容量も従来の最大1000トンから2900トンに大型化する。

増設ペースを7月以降、これまでの毎月最大1万5000トン分から約4万トン分に増やす
タンク1基の容量も従来の最大1000トンから2900トンに大型化する

計画どおりの進むことを望みます。

 20日、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)で開かれた政府の汚染水対策現地調整会議で示した。
 東電は工程の見直しで当初、平成27年6月までとしていた増設を同年2月までに完了する。
 これまでタンクは原発敷地内に部材を運んで現地で組み立ててきたが、県外の遠隔地で造ったタンクを2船団で海上輸送することで増設ペースを早めることが可能としている。
 海上輸送は26年度にも開始する予定で、容量1000トンのタンクに換算して最大で毎月70基運ぶ。陸揚げしたタンクを敷地内で運ぶ輸送用車両「スーパーキャリア」を配置し、4台態勢で運搬する。

容量1000トンのタンクに換算して最大で毎月70基

この計算だと最大で7万トンになりますね。平均すると毎月4万トン分ということでしょうか。

 汚染水から放射性物質を取り除く多核種除去設備(ALPS)の処理水が26年度、約50万トン発生すると見込んでおり、新たに設置する溶接型タンクに貯蔵して対応する方針。

多核種除去設備(ALPS)の処理水が26年度、約50万トン発生

年間50万トンですから、毎月4万トン(年間48万トン)分の増設で対応可能ということでしょうか。

 東電は作業員の増員が難しく増設のペースは上げられないとしていたが、「組み立て済みのタンクの輸送方法の見直しなどで、工程を短縮できた」としている。
 第一原発では1日400トンの汚染水が発生している。地上タンクに15日現在、41万841トンの汚染水が保管されている。このうち、フランジ型タンクは約30万8千トン、溶接型タンクは約10万3千トンとなっている。残り容量は3万6859トンで、タンク増設が滞れば約90日でいっぱいになる。

フランジ型タンクは約30万8千トン
溶接型タンクは約10万3千トン

フランジ型タンクは約30万8千トンは、早急に移し替えが必要です。
毎月4万トン分の増設では足りないですね。当初は毎月7万トン分の増設ということでしょうか。

 汚染水漏れが心配されるフランジ型タンクから溶接型への移し替えは、11月から始まるが、移し替え完了時期のめどは立っていない。

11月から始まる
完了時期のめどは立っていない

 高濃度の汚染水の保管に使用していたタンクは高線量の放射線を放つ。東電は「置き換えたタンクの保管方法や除染が課題」としている。
 建屋に入る1日400トンの地下水を抑える対策は進んでいない。




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欠陥タンク 延命図る 福島第一 漏水不安のボルト締め型 2014年1月22日 07時04分
 東京電力は、水漏れの不安を抱える福島第一原発のボルト締め型タンクに、漏水防止の延命策を施し、数年の間は使い続ける方針を決めた。漏水しにくく耐久性が高い溶接型タンクに早急に置き換えるとしていたが、増設が急速には進まず当初の方針から後退した。置き換えは来春以降にずれ込む見通しで、当面は弱点の底板の接ぎ目を止水材で補強し、だましだまし使い続ける。 (清水祐樹)

ボルト締め型タンクに、漏水防止の延命策を施し、数年の間は使い続ける方針を決めた
マジか!?
置き換えは来春以降にずれ込む見通し
来春以降?!数年使うというのとは矛盾しますよね?置き換えるんだよね??

 タンク内の水は、溶け落ちた原子炉内の核燃料を冷やした後の水。放射性セシウムはおおむね除去されているが、高濃度の放射性ストロンチウムなどが残る。昨年八月には、一基から三百トンの水漏れが発覚し、周辺の土壌や地下水、さらには排水溝を伝って外洋も汚染した。
 東電が調べたところ、五枚の鋼板をボルトでつなぎ合わせた底板の止水材がはがれたことが水漏れの原因と判明。東電は、国からの指示もあり、全てのボルト締め型を溶接型に置き換えることを決めた。

全てのボルト締め型を溶接型に置き換えることを決めた

 ただ、溶接型の増設には一基当たり二カ月前後かかる上、増設用地も不足しているため、東電は場所をとる割に容量の少ない小型タンクを撤去し、そこに溶接型を増設していく方針。ボルト締め型タンクを置き換えるだけの容量の余力ができるのは、早くても来年四月半ばになる見込みだ。

余力ができるのは、早くても来年四月半ば

なるほどね。
前から言っていますが、福島第一原発の敷地だけでは用地不足になっていると考えています。原発の敷地外で汚染水を保管する必要が生じるのは必至の状態ですよね?小型タンクを撤去などという余分な工数を掛ける余裕があるとは思えません。

政府が前に出て汚染水処理に対処するということは、敷地外で汚染水を保管する決断をすることです。

 このため東電は、ボルト締め型タンクの弱点である底板を二つの手法を併用して補修し、延命させてしのぐことにした。一つはタンク天板に穴を開け、そこから止水材を塗った鋼材を入れ、底板の接ぎ目にかぶせる方法。もう一つは、底板の接ぎ目とコンクリート基礎のすき間に止水材を注入する方法だ。いずれもタンクに汚染水が入ったままでも作業できるというが、ボルト締め型の根本的な弱点がなくなったわけではない。鋼材をかぶせる手法では、事前に作業員が水中ポンプを使って接ぎ目周辺の沈殿物を掃除する必要がある。高濃度汚染水のすぐ近くでの作業だけに、細心の注意が必要になる。

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