・憲法上の人格権が奪われる危険性の有無が判断の対象で、新規制基準への適合性などの観点とは別に裁判所が判断すべきだ



大飯原発、運転差し止め 地裁「具体的な危険ある」  関電は控訴方針 2014/5/21 20:52
 定期検査で運転を停止している関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を巡り、安全性が確保されていないとして周辺住民らが関電に運転差し止めを求めた訴訟で、福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、再稼働を認めない判決を言い渡した。判決理由で大飯原発には「地震で原子炉の冷却機能が失われたり、使用済み核燃料から放射性物質が漏れたりする具体的な危険がある」と判断した。

福井地裁(樋口英明裁判長)は21日、再稼働を認めない判決を言い渡した。

樋口さんカッコイイ

 2011年の東京電力福島第1原発事故後、原発の運転差し止めを認めた判決は初めて。原子力規制委員会は新規制基準に基づき各地の原発を審査している。今回の判決が確定しない限り、大飯原発が審査に適合すれば運転は可能だが、再稼働に向けた地元合意に影響しそうだ。

一審ですが影響ありますね。影響させましょう

 判決は、個人の生命、身体、精神に関する利益など憲法が保障する人格権は、原子力利用など経済活動の自由より優先すると指摘。関電が大飯原発の再稼働に向けて強化する施設の安全性が十分かどうか検証した。

個人の生命、身体、精神に関する利益など憲法が保障する人格権は、原子力利用など経済活動の自由より優先する

裁判所の判断としては人権重視。よしよし
でも、原発は経済合理性も無いんだけどね

 関電は、大飯原発で冷却機能が失われる深刻な事態に至るのは地震の揺れの大きさが1260ガルを超えるケースだとする一方、同地域でそうした大きさの地震は起きないと主張。しかし、判決は「1260ガルを超える地震が来ない根拠はない」と指摘。それより揺れが小さい地震でも「外部電源と主給水が断たれる恐れがある」と判断し、厳格な安全性を求めた。

「1260ガルを超える地震が来ない根拠はない」
それより揺れが小さい地震でも「外部電源と主給水が断たれる恐れがある」

 使用済み核燃料についても「原子炉格納容器のような堅固な設備はない」と指摘し、大飯原発の構造には欠陥があると結論付けた。

使用済み核燃料についても「原子炉格納容器のような堅固な設備はない」

福島原発事故で住民への避難勧告が検討された範囲を参考に、大飯原発から250キロメートル圏内の原告166人に具体的危険があるとした。

 また、原子力規制委の審査との関係について、行政判断とは別に司法の判断はできるとした。

 関電は「主張が理解されず遺憾。控訴し、引き続き大飯3、4号機の安全性を主張したい」とのコメントを発表した。

原子力規制委の審査との関係について、行政判断とは別に司法の判断はできる

三権分立だ!



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大飯原発:「安全性に欠陥」 福井地裁、運転差し止め判決 2014年05月21日 21時16分(最終更新 05月21日 23時31分)
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働は危険だとして福井県の住民ら計189人が関西電力を相手取って運転差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福井地裁であった。樋口英明裁判長は住民側の主張を認め、運転差し止めを命じた。東京電力福島第1原発事故を念頭に「大飯原発は地震の際の冷却や放射性物質の閉じ込めに欠陥があり、原発の運転で人格権が侵害される危険がある」と厳しく指摘した。原発の運転差し止めを命じた司法判断は福島事故後初めて。電力会社の再稼働判断にも影響を与える可能性がある。関電側は控訴する方針。

運転差し止めを命じた

 過去に運転差し止めが認められたのは、2006年にあった北陸電力志賀原発2号機(石川県志賀町)に関する金沢地裁判決(高裁で逆転し確定)だけだった。

 主な争点は▽耐震設計の基準となる「基準地震動」は適切か▽大地震の際に冷却機能が働くか▽使用済み燃料プールの放射能漏れ対策は十分か−−などだった。

 基準地震動について関電は、敷地周辺の断層による地震を想定すると700ガル(現在は856ガルに引き上げ)が適切と主張。しかし判決は理論上の数値計算よりも、各地の原発で05年以降、基準地震動を超える揺れが5回観測されている事実を重視し、大飯でも同様の危険があるとした。

 冷却機能に関して判決は、想定を超える地震が起こればメルトダウンに結びつくと指摘。地震動が想定内でも電源が失われる恐れがあると指摘した。さらに燃料プールに関しても、福島原発事故の際に燃料プールが危機的状況に陥ったことを例に、原子炉格納容器と同等の、より堅固な施設が必要とした。

 また、訴えを起こせる住民の範囲に関しては、福島事故の際、原子力委員会委員長が原発から250キロ圏内の避難勧告を検討した経緯から、250キロ圏内にまで広く認めた。

250キロ圏内にまで広く認めた

 大飯3、4号機は昨年9月に定期検査のため運転停止した。これに先立つ同年7月に関電は再稼働を申請しており、現在、原子力規制委が審査中。判決には、判決確定前に内容を実行する「仮執行宣言」が含まれていないため、判決が確定しない限り、審査に適合すれば原発は運転できる。ただ、再稼働の前提として地元同意は不可欠で、司法判断が確定しない中での再稼働は事実上、難しい状況だ。【竹内望、村山豪】




全国の原発裁判 約30件の判断が注目 5月22日 4時44分魚拓
福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機について、福井地方裁判所は21日、「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして、運転を再開しないよう命じる判決を言い渡しました。
この裁判も含め、原発を巡るおよそ30件の裁判で全国の弁護団が情報を共有しながら審理に臨んでいて、ほかの裁判所の判断が注目されます。

福井県にある大飯原発の3号機と4号機の安全性を巡る裁判で、福井地方裁判所は21日、「地震の揺れの想定が楽観的で、原子炉を冷却する機能などに欠陥がある」と指摘し、住民側の訴えを認め、関西電力に対し運転を再開しないよう命じる判決を言い渡しました。3年前の東京電力福島第一原発の事故のあと、原発の運転再開を認めないという判断は初めてです。この裁判も含め、全国の原発を巡るおよそ30件の裁判に関わっている「脱原発弁護団全国連絡会」によりますと、各地の審理には専門家から得た知識や主張のポイントなど、情報を共有して臨んでいるということです。
判決の後の記者会見で、弁護団は「今後も、このような判決を勝ち取りたい」と話していて、ほかの裁判所がどのような判断を示すか注目されます。
一方、関西電力は「判決文の詳細を確認したうえで速やかに控訴の手続きを行い、控訴審で引き続き、安全性を主張していきたい」というコメントを出しています。




女川の再稼働阻止狙い提訴へ 「大飯判決、適用できる」 木村聡史2014年5月22日08時01分
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