子どもを守れ


政府は、10年以上先の帰宅基準を『20mSv/年』としています。
『20mSv/年』は、緊急時および現存被ばく状況での参考レベルの最大値です。10年後に適用する根拠は、何もありません。


放射線量:62%(2年後)37%(5年後)23%(10年後)9%(50年後)
20110828_Cs137vsCs134

として、居住可能になるなでの年数を試算してみます。


【20ミリシーベルト/年の地域】政府試算はありません
4.6ミリシーベルト/年(10年後):
妊婦・子ども・妊娠可能な女性を除くと居住可能かもしれません。

0.9ミリシーベルト/年(80年後):
居住可能かもしれません。妊娠中などには避難したほうが良いかもしれません。


【50ミリシーベルト/年の地域】政府試算では4年程度
22.0ミリシーベルト/年(4年後):
およそ『20mSv/年』ですから政府基準では、帰宅可能です。常識的には居住不適です。

4.5ミリシーベルト/年(50年後):
妊婦・子ども・妊娠可能な女性を除くと居住可能かもしれません。

1.1ミリシーベルト/年(110年後):
居住可能かもしれません。妊娠中などには避難したほうが良いかもしれません。


【100ミリシーベルト/年の地域】政府試算では10年程度
23.0ミリシーベルト/年(10年後):
およそ『20mSv/年』ですから政府基準では、帰宅可能です。常識的には居住不適です。

9.0ミリシーベルト/年(50年後):
居住不適です。

4.5ミリシーベルト/年(80年後):
妊婦・子ども・妊娠可能な女性を除くと居住可能かもしれません。

1.1ミリシーベルト/年(140年後):
居住可能かもしれません。妊娠中などには避難したほうが良いかもしれません。


【200ミリシーベルト/年の地域】政府試算では20年以上
34.0ミリシーベルト/年(20年後):
居住不適です。

23.0ミリシーベルト/年(40年後):
およそ『20mSv/年』ですから政府基準では、帰宅可能です。常識的には居住不適です。

18.0ミリシーベルト/年(50年後):
居住不適です。

4.5ミリシーベルト/年(110年後):
妊婦・子ども・妊娠可能な女性を除くと居住可能かもしれません。

1.1ミリシーベルト/年(170年後):
居住可能かもしれません。妊娠中などには避難したほうが良いかもしれません。


ニュース:

政府 長期間帰宅困難な地域も NHKニュース
---全文転載
政府 長期間帰宅困難な地域も
8月27日 19時52分

政府は、震災や原発事故からの復興について話し合う、福島県との定期協議の初会合で、原発周辺で被ばく線量を減少させ、住民の帰宅を実現させるのに長期間かかる地域があることを説明し、菅総理大臣は、総理大臣が代わっても、政府として除染にしっかり取り組んでいく考えを示しました。

福島県の復興について話し合う関係閣僚と福島県による定期協議の初会合が、福島市で開かれ、菅総理大臣や、平野復興担当大臣、細野原発事故担当大臣らが出席しました。この中で政府側は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射性物質に汚染された地域のうち、年間推定被ばく量が100ミリシーベルトの地域は、除染などの作業を行わなかった場合、政府が目標としている年間20ミリシーベルト以下になるのにおよそ10年かかり、150ミリシーベルトの地域ではおよそ20年かかるという試算を示しました。会合で菅総理大臣は「原子力発電所そのものは、だんだん落ち着いてきているが、早い段階で放出してしまった放射性物質の影響が、いろいろな形で広がっている。除染の問題にしっかりと取り組み、皆さんが元にいた所に帰っていただけるよう、全力を挙げて取り組むことを約束したい。政府としての役割は、必ず、次の総理大臣にきっちりと引き継ぎたい」と強調しました。会合では、今後、放射性物質で汚染された土壌や廃棄物の適切な処理方法や、農林畜産業への支援、被災者の生活再建策などについて意見を交わすことにしています。このあと、細野原発事故担当大臣は、今回示した試算に関連して「この期間を今後、除染によって、どれくらい前倒しして短くできるかについて、自治体とも協力して挑戦したい。かなり長期にわたってなかなか帰宅が難しい方が出てくる現実は、直視しなければならない」と述べました。
---転載終わり


被ばく線量200ミリシーベルト地域、帰宅に20年以上も  :日本経済新聞
---全文転載
被ばく線量200ミリシーベルト地域、帰宅に20年以上も
政府試算、除染なしでは
2011/8/27 18:15

 政府は27日、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された地域のうち、年間の被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される場所では、線量が下がり、避難している住民が帰宅できるまでに20年以上かかる可能性があるとの試算結果を、福島市で開かれた「福島復興再生協議会」で示した。

 放射性物質を取り除く除染などをしない場合に、セシウム137や134が時間経過とともに減少することや雨や風で地表面からなくなることにより、帰宅の目安となる年20ミリシーベルト以下になるまでの期間を求めた。現在の推定線量が100ミリシーベルトの場所は10年程度、50ミリシーベルトの場所では4年程度となる。

 政府が26日に公表した除染の基本方針では、今後2年間で、こうした自然現象で40%、除染で10〜20%の線量低減をする目標を盛り込んでいる。26日は50ミリシーベルト以下の試算結果を示したが、高線量の場所の試算は明らかにしていなかった。

 細野豪志原発事故担当相は協議会の終了後、記者団に「除染でどれぐらい前倒しできるかに挑戦する。やり切らなければならないが、かなり長期間、帰宅が難しい人が出る現実も直視しなければならない」と述べた。〔共同〕
---転載終わり


ネットでは、長期間居住不可能であることは常識でした。
政府・マスコミ情報では、帰れると考えていたとしても不思議ではありませんね。


福島第1原発:帰郷困難、20年超も 政府試算 - 毎日jp(毎日新聞)
---全文転載
福島第1原発:帰郷困難、20年超も 政府試算
2011年8月27日 22時17分 更新:8月28日 1時36分

 政府は27日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。菅直人首相は27日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第1原発周辺の放射線量が高い地域について「長期間にわたって住民の居住が困難な地域が生じる可能性は否定できない」ことを認め、「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。

 放射性物質が風雨で拡散されることなどにより、被ばく線量は除染なしでも自然に低下していく。試算結果によると、帰宅可能水準まで被ばく線量が下がるには、現在の推定線量が100ミリシーベルトの地点で10年程度、50ミリシーベルトの地点で4年程度かかる。この期間をより短くするには、除染作業を効率的に進める必要がある。

 ◇汚染物質保管「福島で」 首相が知事に要請
 会談で首相は、除染作業によって新たに汚染土壌が発生することも踏まえ「汚染物質を適切に管理する中間貯蔵施設を県内に整備することをお願いせざるを得ない」と述べ、汚染物質を一時保管するための中間施設を県内に設置したい考えを伝えた。

 政府関係者によると、中間施設は国が建設し、放射性物質の空中や地下水への拡散を防ぐための遮蔽(しゃへい)壁も備える。首相は「最終処分場にすることは全く考えていない」としたが、佐藤知事は「突然じゃないか。非常に困惑している」と、受け入れは困難との見方を示した。

 汚染土壌やがれきについて、政府が26日発表した「除染の基本方針」は、国が処分場を整備するまでの間、市町村や地域ごとに仮置き場を設けるべきだとしている。しかし、「仮置き場では安全な管理は難しい」との批判が地方から出ていることを受け、国が責任を持って中間施設を整備する必要があると判断した。

 会談に同席した細野豪志原発事故担当相は記者団に「一定期間は貯蔵できるものでないと、(市町村の)仮置き場と変わらない」と述べ、放射性物質の封じ込め効果の高い施設を造る意向を明らかにした。

 また、首相は「国策で進められてきた原発が事故を起こしたのだから、国の責任で対応しなくてはならない」と強調。「次の内閣にもしっかりと引き継がせていただきたい」と述べ、首相交代後も、事故収束と被災地支援に国は全力を挙げるとの考えを示した。【笈田直樹】
---転載終わり


福島第1原発:地元住民沈痛 首相「帰郷困難」発言で - 毎日jp(毎日新聞)
---全文転載
福島第1原発:地元住民沈痛 首相「帰郷困難」発言で
2011年8月28日 2時14分 更新:8月28日 2時40分

 「住民の居住が困難となる地域が生じてしまう可能性があるのが残念ながら事実」。東京電力福島第1原発事故を巡り、菅直人首相が27日に福島県で述べた「帰郷困難」発言は大きな波紋を広げた。同県の佐藤雄平知事は「本当につらい、重い話」と沈痛な表情を見せ、地元首長は「とんでもない」と声を荒らげた。原発のすぐ近くに住む人たちには「一時帰宅直後の発言で、ばかにしている」との怒りや「故郷に見切りをつけるしかない」とのあきらめが交錯した。

 ◇「中間貯蔵」に知事抗議
 この日、菅首相は福島市で開かれた「原子力災害からの福島復興再生協議会」の最終盤に顔を見せ、地元首長らに「(放射性物質の)除染が重要」と強調。ところが佐藤知事との面談で一転し「帰郷困難」に触れた。さらに放射性廃棄物の中間貯蔵施設についても「県内での整備をお願いする」と明言した。

 佐藤知事は「県民にとっては本当につらい重い話。住民の帰還(が一部で不可能かもしれないとの)見通しを示す前に、事故の収束、除染に全力を挙げて、一日も早く古里に帰りたいという思いを実現してほしい」と首相に要望。

 さらに突然声を荒らげて「中間貯蔵施設のこと、突然の話じゃないですか。困惑している」と抗議し「事故以来、猛烈に苦しんでいる県にとってはきわめて重い話。国としてしっかり対応してほしい」と求めた。

 第2原発が立地する富岡町の遠藤勝也町長は協議会終了後「さっきは何のための会議だったんだ。どうして我々の前で(帰郷困難を)言わなかったんだろう。こっちに相談もなしに。とんでもない話だ」とあぜん。「除染もしてないうちに、そんな考え方を示されたら憤りを感じる。我々が一生懸命帰ろうとしているのに、水を差すようなことは言わないでほしい」と厳しく批判した。【種市房子、竹内良和】

 ◇一時帰宅直後…「ばかにしている」
 「帰郷困難」の可能性が高いのは、一時帰宅を長く禁じられ26日にようやく解禁となった大熊、双葉両町の半径3キロ圏内。原発から2.8キロの大熊町小入野に住んでいた会津若松市の無職、杉本征男さん(70)は「生きているうちに帰ることはないだろうと腹をくくっていたから驚きはない」と受け止めながらも「もうお墓参りもできねえ。悔しいな」と怒りをかみ殺す。そのうえで「どこが帰れない地域か明言してほしい。そうでないと、次の行動が起こせない」と求めた。

 原発から約3キロに自宅があり、長女とともに岡山県美作市に避難している同町の木村紀夫さん(46)は「いつかは帰りたいと思っていたので気持ち的にはしんどいが、どれくらいの線量で帰れないのか細かい数字を提示したうえではっきり言われるなら仕方ない。ただ、中間貯蔵施設を県内に造るというのは到底納得できない」。

 原発から約2.5キロの双葉町細谷に自宅があり愛知県安城市に避難している農業、山本安夫さん(60)は26日に一時帰宅したばかり。「やっと実現した一時帰宅の翌日に、辞める首相が『戻れません』と宣告する。私たちをばかにしているとしか思えない」と憤る。

 同じく細谷地区に自宅があり、家族を群馬県高崎市に避難させて原発の収束作業のためいわき市に単身赴任している会社員、遠藤義政さん(50)は「自宅は原発から2.5キロで戻れなくなる覚悟はできている。買い上げなのか借り上げなのか、政府が早く方針を示さないと次の生活が見えない」。

 双葉町で農業を営み埼玉県加須市に集団避難した谷充(たに・みつる)さん(60)も「どこまでが住めなくなるのか、どんな補償内容になるのか、国は直接私たちに示してほしい」と訴えた。【伊澤拓也、袴田貴行、島田信幸、藤沢美由紀】
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asahi.com(朝日新聞社):居住禁止長期化「納得できぬ」 福島、首相に不信感 - 東日本大震災
---全文転載
居住禁止長期化「納得できぬ」 福島、首相に不信感

 東京電力福島第一原発事故に苦しむ福島県で、菅直人首相が二つの「通告」をした。原発周辺の一部地域では長期間、居住が難しいという見通し。そして、放射能に汚染された廃棄物の中間貯蔵施設を県内に置くこと。退陣直前の首相の口から示された方針に、住民や自治体には不信と困惑が広がった。

 第一原発から約2.5キロ、福島県双葉町細谷地区の山本安夫さん(60)は26日、妻の秀子さん(61)と一時帰宅したばかりだ。田畑や自宅周辺は草が伸び放題だったが、「できるなら戻ってきたい」と改めて思った。その翌日の菅首相の発言。安夫さんは「ひょっとして(また住める)と思っていたのに。希望を打ち砕かれた」と話した。

 双葉町で生まれ育ち、昨年9月に定年退職した。自宅を改築したばかりで、趣味の農業を続けるはずだった。「あすあさって辞める人に『住めない』と言われても、納得できない」

 同県大熊町の小林末子さん(73)の自宅も第一原発から3キロ圏内。9月1日に一時帰宅する予定だ。「帰れないなら3回は行きたい。もうあそこで暮らすのは無理ね」と淡々と話した。気になるのはこれからの生活のこと。どこに住むのか、土地や家は国が買い取ってくれるのか。今は同県郡山市の賃貸住宅で娘と住むが、「誰も知っている人がいなくてさみしい。大熊の人とまた一緒に暮らせるようにしてほしい」。

 同県喜多方市に避難している大熊町の石田博之さん(47)は第一原発から約2.5キロの自宅で父(80)と娘(19)と暮らしていた。「国が責任を持って除染した上で、『それでも放射線量が下がらないので』と言うならまだ分かるが、ただ帰れませんでは納得できない」と憤った。

 廃棄物の中間貯蔵施設の設置については「原発周辺につくるのはやむを得ないと思うが、出来てしまったら確実に帰れなくなるという現実が迫る」と話した。
---転載終わり